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橋之介のブリッジれぽーと

橋之介のブリッジれぽーと(8)


 

 

橋之介です、よろしくね!
みなさんこんにちは!橋之介です。
今年もNECブリッジフェスティバルで体験教室があったんだ。去年はボクひとりで参加したんだけど、今年はみんなと行ったんだよ。やっぱりおおぜいの友だちと一緒だと、楽しさもカクテキだよね! あれれ?ちょっと違うかも?後でツキノワ君にきいてみようっと。

 

JCBLからのお手紙
 
学校から帰ってきて妹のウィニーと一緒におやつのスイートポテトをほおばってたら、「そうそう、橋之介、お手紙がきてるわよ」とママがボクに封筒を差し出した。
「JCBLからよ、何かしらね」封筒をあけると、大きな文字が目に飛び込んできた。
 
『ジュニアくらぶ・会員大募集』
 
ジュニアくらぶ? さっそく読んでみた。
わお、すごいよ。今度、ジュニア専用のジュニアくらぶっていうのができたんだって。ジュニアは高校生までって書いてあるから、ボクもジュニアだよね。ジュニアなら誰でもタダで会員になれて、ブリッジのイベントに参加して、友だちと一緒に遊べるんだって。
それに、会員になるとスタンプラリーもできて、スタンプ5個を集めると ディズニーランドのパスポートがもらえるんだって!
節子先生と向山先生
 
今年のNECブリッジフェスティバルの体験教室が最初のジュニアくらぶ対象イベントですって書いてあるよ。
「ママ、ボクぜったい行きたいよ、いいでしょう?」
「どれどれ、よく見せてちょうだい」
ママはJCBLから送られてきた手紙とチラシにゆっくり目をとおしてから言った。
「横浜ブリッジセンターの講習会に橋之介が通っていたから、お手紙の案内を送ってくださったのね。もちろんいいわよ。いつもブリッジを一緒にしている学校のお友だちも誘って、みんなで行ってみたら?」
「わーい、ママ、ありがとう。もち、みんなにもきいてみるよ」ボクが万歳すると、「お兄ちゃんばっかりずるーい、ウィニーもブリッジしたい」と、ウィニーが口をとんがらせた。「あらあら、ウィニーもブリッジしたいの?」ママがそうたずねると、「うん。だって、ときどきパパやママがおうちでお友だちとブリッジしているし、お兄ちゃんだって習ってるし。あたしだって、できるもん!」
「困ったわねえ、ジュニアは一応小学生からだし。いいわ。ママが一緒にいてあげるから、見学だけでもさせてもらえるか、お願いしてみるわ」ママがころころ笑いながらそういうと、ウィニーはぱっと顔を輝かせて、
「ほんとう?ママ、だあーい好き!」と言って、ママに抱きついた。

 

NECブリッジフェスティバル体験教室
 
体験教室当日。ボクたちは一家そろってパシフィコ横浜へと向かった。
そういえば、去年はウィニーはバレエだったんだよね。なんだかなつかしい気がするよ。
待ち合わせ場所の体験教室の受付に着くと、もうみんなが勢ぞろいでボクたちを待っていた。
エリーちゃんとパパとママもいる。エリーちゃんの両親はボクの両親のブリッジ仲間で、今日はうちのパパのチームメイトなんだ。
「おはようございます」みんながあいさつを交わす。
「ハナさん、今日は一緒にプレイできなくて残念だわ。子どもたちのお守りを押しつけてしまったみたいで、なんだか申し訳ないわ」
エリーちゃんのママがママにそう言うと、「お守りだなんてとんでもない。みんないつもお行儀がいいし、安心していますよ。ただ、うちのウィニーがどうしても見学したいってきかないものですから、この子にはつきそっていないとね。それより試合の方をがんばってね」
ママはウィニーをちらっと見てから、エリーちゃんママにウィンクした。

ボクたちはブリッジ大会の方に参加するエリーちゃんの両親とパパにさよならして、体験教室の会場に入っていった。
 
図2
あれっ、ボクの知っている人がいるよ。愛子先生だ!
ボクは初めてミニブリッジを習ったときの先生だった愛子先生にまた会えたのがうれしくて、駆け寄っていった。
「愛子先生、おはようございます。去年はどうもありがとうございました。今年は友だちと一緒に来ました」
「まあ、橋之介くん、また会えてうれしいわ」
やっぱり愛子先生だ。いつものとびきりの笑顔でにこにこしてる。
 
ボクはみんなを先生に紹介した。
「はじめまして、ツキノワ君、ホッキョク君、エリーちゃん、カーチャちゃん。
実はみなさんがハナさんからブリッジを教わっているといううわさは伺っているのよ。
みんなはブリッジを習っているわけですから、今日は体験コースはなしですぐに遊べるわね。こちらのテーブルでどうぞ」と愛子先生が案内してくれた。


「愛子先生、おはようございます。今日はどうぞよろしくお願いします」
ウィニーの手を引いてゆっくりやってきたママが愛子先生にあいさつした。
「あら、ハナさん、おはようございます。たくさん生徒さんを連れてきてくださってどうもありがとうございます」
「とんでもありません。それより、ジュニアくらぶのご案内を拝見しました。子どもたちがとても楽しみにしておりますのよ」
ママがそう言うと、「若い方たちにもブリッジの楽しさを知ってもらって、楽しんでもらうための企画なんです。スタンプを集めるのも楽しいですしね。会員登録は無料ですから、ぜひお帰りになる前にみなさん登録していってくださいね」と愛子先生が答えた。
「ええ、子どもたちも全員そのつもりみたいです」そう言ってから、ママはウィニーの肩に手をやって遠慮がちに切り出した。
「あのう、この子が見学させていただいてもよろしいでしょうか?どうしてもブリッジするってきかないものですから、せめて見学だけでもと思いまして。私がずっとついていますから、ご迷惑はおかけしません」
「まあ、こんなに小さいのにもう?さすがマクブリッジ家のお嬢さんね」
愛子先生は目を丸くしながら、うれしそうに笑った。
「ジュニアは小学生からなのですが、ハナさんもいらっしゃることですし、まずは体験コースの方に参加されてはいかが?その後で疲れていなかったら、お兄ちゃんたちと一緒に遊んでもらってもいいし」
「ありがとうございます。ではお言葉に甘えて体験コースに参加させていただきますわ。ウィニー、よかったわね」ママがそう言うと、ウィニーも
「先生、どうもありがとうございます」と、ペコリと頭を下げた。
「あらウィニーちゃん、おりこうさんね」先生は驚いたみたいだ。
ウィニーはすましている。
「じゃあみんな、私はウィニーと一緒に体験の方に参加させてもらってくるわ」
ママがボクたち年長組に向かって言った。
「みんないつも一緒にしているからだいじょうぶね。何かわからないことがあったら、会場の先生たちに聞いて楽しくブリッジしてね」
「はーい」みんなで元気よく答えた。

 

健君との再会
 
ボクたち5人はいつものようにカードドローで抜け番とペアを決めて、さっそく始めることした。
すると、ボクの肩をぽんとたたく人がいる。振り返ると、健君と健君の両親が立っていた。
「橋之介君、久しぶり!」
「健君、やっと会えたね!待ってたよ」
ボクたちはがっちり握手した。
健君はボクが去年ここで初めてミニブリッジを習ったときに仲よくなった友だちだ。
その時に電話番号を教えてもらったのがきっかけで、今ではメル友になったんだ。
ジュニアくらぶのことを知ったときにもすぐに健君にメールしたら、健君も知っていて今日は会えるねって話してたんだ。
ボクがみんなを紹介すると、ボクの学校の友だちも健君と健君の両親もすぐにうち解けた。
「健君のことは橋之介からよく聞いてたよ。すっごく頭がいいんだから、すごいんだからって、まるで自分のアニキのことでも話すみたいに自慢してたぜ!」ホッキョク君が健君にそう言うと、
「そうそう。今日は健君に会えるってわかってから、橋之介君、健君の話ばっかりしてたから、私も今日初めて会う気がしないわ」エリーちゃんも続けた。
そうだったっけ?ボクが真っ赤になってると、
「すごいなんて言われちゃうと困っちゃうけど、ボクも橋之介君からメールでみんなのことを聞いていたから、今日会えるのを楽しみにしていたんだ」
ボクたちはママにコントラクトブリッジを習っているんだけど、実は健君もコントラクトブリッジを勉強しているんだ。
最初は健君が去年ミニブリッジを習ってから、ときどきおうちで両親と一緒に3人ミニブリッジをしていたんだって。そうしたら、今度は健君ママがブリッジの楽しさにすっかりはまってしまってブリッジ教室に通い始めて、健君ママが教室で教わったことをパパと健君にも教えて、みんなでブリッジを勉強してるんだってさ。
「ボクはひとりっ子で3人家族だから、いつも誰かが1人2役しないといけないんだけどね。(^_^)」って、前に健君がくれたメールに書いてあったよ。
健君たち家族3人が加わって8人になったので、ボクたちはみんなでカードドローして2テーブルに分かれてブリッジすることにした。わお、ボクのパートナーは健君だよ!
「健君、よろしくね!」ボクがそう言うと、「こちらこそよろしく!3人じゃなくて4人でブリッジできるなんてうれしいよ。橋之介君、ビッドの約束はもう覚えた?」
「うん、ちょっとだけ。オープンとレスポンスの約束くらい」
「ボクも習ったばかりだから、まちがえちゃうかもしれないけどがんばろうね」
みんながボードからカードを抜き出して、オークションに取りかかった。

 

 
今日のきょうくん(教訓)
やっぱ友だちと一緒がサイコー!
 

 

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