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「橋之介君はが立派なスートだったのでを出したかったのよね?でも、 とたくさん絵札を持っているから、小さいカードを出すと、今みたいに損をしてしまうこともあるわね」愛子先生がやさしく言った。「だから、絵札が3枚以上続いているときは、一番上を出しましょう」
「損をしちゃったのはわかったけど、どうして一番下じゃなくて一番上なの?」ボクはよくわからなくて、愛子先生に聞いてみた。
「一番下を出したら、例えば と続いているときに10を出しても、パートナーには一番上は何かわからないでしょう?だから、パートナーとの約束事として、一番上を出すのよ。そうすれば健君には、 の下に最低でも と があるなってわかるでしょう」
「なーるほど、そういうふうに出てきたらよくわかるね」健君は感心して手をぽんとたたいた。 |
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「でも3枚しかない場合は、例外として絵札が2枚続きでもいいのよ。橋之介君がもしを出したいと思ったら、は だから を出しましょう。ただ、この場合はが橋之介君の自慢のスートだから、 の方がずっとよいリードね」愛子先生の説明が続く。 |
「そっか。すると、絵札が出てきたからといって、必ず下に2枚の絵札があるわけじゃないんだね」健君は即座に反応した。
うーんと、えーっと、もともと3枚のときは例外ね。健君は頭の回転が速いなあ。
「じゃあ、絵札が1、2枚のときや絵札がないときは、何をリードすればいいんですか?」健君パパが質問した。
「これも約束事として、4枚以上の長いスートからは4番目を出します。絵札が続いていないので、パートナーに期待しましょう。それから、くず札2~3枚のときには一番上のカードを出します。そうすると、絵札を持っていませんよ、というパートナーへの合図になります」愛子先生はゆっくりと説明した後、少し例をあげてくれた。
最初はまた頭がパンクしそうになっちゃったけど、だんだんわかってきた。長いスーツは4番目をだすから「フォースベスト(Fourth Best)」、くず札の時はトップカードからだすから「トップ・オブ・ナッシング(Top of Nothing)」なんだ。それと、なるべく自慢のスートからリードする! これがオープニング・リードの約束なんだ...。
ついさっきまではディクレアラーじゃないとつまんないって思ってたけど、ボク、早くリードしてみたくなってきちゃった。それにしても、英語を知っててよかったあ。はじめて聞く言葉でブリッジ用語を覚えるんだったら、とっても大変だろうな。
「では、また続けてみてくださいね」愛子先生はそう言って、隣りのテーブルに移っていった。 |
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